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静かな夏

自転車を漕いで汗ぐっしょりの身体に、クーラーが吹き付けて寒い。
冷房のきいた電車で55分。
座れないので座席の背中側にもたれかかり、立ったまま眠る。
いつもの時間。


降車側の扉になんとなく目をやり、視界に入った姿に私の心臓はドクンと音をたてた。

眠気が一気に覚める。
まさか。
10年…?いや…12年ぶりだ…

腰まである、三つ編みの長い髪。
3年間ずっとみつめていた横顔。
でも最後まで私のことをみつめ返してはくれなかった彼女…

彼女も眠いのだろう、長い睫毛に隠れた瞳は閉ざされている。


頭が、クラクラした。

暑かった教室、プールサイドの湿った匂い、男子の目がないからと、スカートをたくし上げ、下敷きで扇いだ、汗の匂い。

変わらない横顔。


到着を告げるアナウンスが流れ、ドアが開いた。


一瞬。
彼女の黒目がちな目が、確かに私を捉えていた。


彼女はゆっくりと人波に押し流され、やがて視界から消えた。

ホームはうだるような暑さだ。
なんだか、現実味がなかった。


電車を待つ制服姿の、気だるそうな女子の群れ。


今日は一緒に帰れる?
お願いっ!私の分の刺繍も縫って。
鏡買っちゃった!おそろい。






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一応言っておきますが、上の文章は創作です。
読み返して最後の女子高生の会話に不自然さを覚えた。
私は三河弁バリバリだったからな…。
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Author:さむかわまゆう
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